ブッシュクラフトLIFEWORKでは、読者の皆さまのアウトドアライフにイロドリを!をテーマに、
アウトドアインストラクターアシスタントである筆者の体験レビューを、丁寧に解説し、楽しく遊ぶ提案をしています。
ブッシュクラフトとは、森の生活技術を応用したアウトドアの遊びのことです。
キャンプとは無縁と思っていた狩猟免許でしたが、いつしか興味を持つようになりました。
「わな猟の狩猟免許」にチャレンジしてみたよーー!
まさか、自分が受けるなんて、全く思ってもいなかった試験に、家族も友達もびっくり。
- 狩猟免許について興味がある方
- わな猟の免許を受けてみたいと思っている方
- 狩猟免許の勉強方法が知りたい方
アウトドアが好きで、世界が広がりそうだから、受験してみた!という理由ですが、これから狩猟免許取ってみようかなと思ってる方の参考になれば幸いです。
この記事を読むとこんなことがわかります
- 筆者が狩猟免許を受けてみようと思った理由
- 狩猟免許について
- 狩猟免許勉強方法について
ブッシュクラフトLIFEWORKの運営者
アウトドアインストラクターアシスタント
小学校サバイバルレッスンゲストティーチャー
危険生物対策アドバイザー
狩猟試験(罠猟)を受けてみようと思った理由
「自然や動物のことについて、もっともっと知りたいな。」
そう心が動いたことが、試験を受けようと思った一番の理由でした。
自然への探究心から、狩猟免許の受験を決意
実際に私がよく行くフィールドは、鹿の足跡を見かけたりします。足跡を見ても何がどの動物かなんて、全くわからなっったけど、教えてもらうとこれが面白いんです!
「こっちは前足、こっちが後ろ足」とか、「葉っぱが乗っかってるから何日か前に通り過ぎた場所だ」とか。
観察して推測していくんだよね。
こういうのめっちゃ面白いし、ワクワクしちゃいます。こんな発見が、好きな自分に気づきました!
アメリカで有名なトムブラウンジュニアさんは、足跡を見るだけで、その動物が妊娠してるとかわかるみたい・・・
すごいですよね。
そんなトラッキングの視点を持っていれば、キャンプ場や、野外で自然観察をするヒントがいっぱい詰まっていることに気付くことができるのではと思いました。
狩猟に関わる方々と出会いが入口に
狩猟について知るようになったきっかけは、素敵な方々との出会い。
アウトドアが好きになり、「ブッシュクラフト」というちょっとワイルドなキャンプスタイルを学ぶと同時に、講師の方からお話を聞いたりしました。
また狩猟を実際にされる方々に出会い、狩猟についての話を聞かせてもらったり、ほとんど食べたことのないジビエを食べさせてもらったりと、貴重な体験の連続が、狩猟の興味の扉でした。
私がとっつきやすかったのは、男性だけでなく同性の女性のハンターさんと交流することができたのが、大きかったと思います。職場でも学校でも、同性に対する憧れってあったりしませんか。
アウトドアで履くブーツとは違い、足袋の形になっている靴を履き、必要最低限のものを持って、山に入っていく姿は、とてもカッコイイ!!
食べたことのないジビエのおいしさを知る
旅館でボタン鍋などしか食べたことがなかった私ですが、イノシシ、鹿、アナグマ、ハクビシン、と食べれることすら知らなかった野生動物を食べさせてもらう機会もありました。
これは、塩味の猪鍋。
「味噌だと味を誤魔化せるけど、塩味でうまいのは、本物!」と振る舞っていただきました。
焚き火で作る野生のお肉の料理は、長時間煮込むことで柔らかくなって、止まらなくなるほど。
鹿肉を薄くスライスして玉ねぎと炒め塩コショウで。
こんな風に焚き火で調理ができるのも、普段アウトドアで焚き火を扱っているから。
ジビエ料理と焚き火って、相性抜群なんですね!!
焚き火の仕方について、もっと知りたい方は、こちらの別記事を参考にどうぞ。
▶︎野外で楽しむための焚き火!薪の組み方のバリエーションを紹介します
これは、自宅で自分であげたカツ。
「命をいただく」実感と感謝を感じる
谷川 俊太郎さんの「しんでくれた」をご存知でしょうか。
衝撃的なタイトルの絵本に、思わず手を取らずにいられませんでした。食べ物が溢れている現代に改めて親子で読み直したい絵本です。
本のタイトルにもなっている言葉からは、生きるための強さや命をいただく感謝の気持ちを感じます。
そんな本の内容を身をもって感じたのが、「狩猟」
「狩猟」と聞くと、動物をとって食べるというイメージしかなかったですが、狩猟をする方々は、動物や自然をとても大事にしていてることを、その話の節々から感じ、感動しました。
最終的には、動物の命を断つことになるけれど、敬意を持って命を頂戴してることや命の尊さを強く感じました。
生きるために狩る。
そんな時代がありました。
今は、何もかもスーパーで購入できるので、「命をいただく尊さ」を感じることは少ないように思います。
人が生きること、自分が生きること、動物や植物が生きること。
生きるって!素晴らしいこと。
悩みも多い現代生活ですが、多すぎる選択肢の中で、「生きる」選択をしているから、私たちは生きているのではないでしょうか。
みんな一生懸命生きているよね。
現在の私のライフスタイルの中で、命と向き合う1つ1つの瞬間が大切なこと。
また、2人の子どもを育てる親として、そんな大切な瞬間を一緒に向かい合い過ごしていきたいと思っています。
狩猟免許の試験概要
狩猟免許は計4種類あります。
- 第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)
- 第二種銃猟免許(空気銃)
- わな猟免許
- 網猟免許
試験は年に複数回、各都道府県で行われています。
お住まいの都道府県へお問い合わせしてみてくださいね!
私は静岡県在住なので、住所の管轄のある農林事務所で、申込書類をもらい、試験の申し込みをしました。
試験申込にあたり、医師の診断書が必要になるので、余裕を持って申し込み準備するのが、おすすめです。
参考のため静岡県ですが、載せておきます。
必ずご自身のお住まいの地域の情報をご確認くださいね!
狩猟免許申し込みの簡単な流れ
パソコンでダウンロードもできます。
私が申し込みをしたときは、歯科以外の医師に診断書を書いてもらえばOKでした。(管轄の事務所で確認してくださいね。)
よく通っている耳鼻科に電話し、「狩猟免許の試験のために、医師の診断書を発行してほしい」旨を伝えOKをもらってから、病院に行きました。
試験申し込みの必要書類に記入し、返信用封筒に自分宛名を書き、切手を貼ります。
試験のための書類提出なので、事務的だと思っていました。
担当の方に「頑張って!」と声をかけていただき、嬉しかったな。
返信用封筒に証明写真が貼られた受験票が届きました。
2023年2月に行われた試験を受験し、無事合格できました。
狩猟についてもっと知りたい方は、こちらのHPをどうぞ。
▶︎環境省の狩猟ポータブルへ
狩猟についての本は、こんな雑誌があります。ご興味のある方は、本屋さんでチラ見も!
ジャパンブッシュクラフトスクールの川口拓さんが、ネイティブアメリカンのトラッキング技術についても触れている雑誌です。
生きるための生活技術を使ったブッシュクラフトというジャンルは、狩猟とも深く結びついているのを実感しますね。
こんな風に狩猟免許の試験勉強しました
- 狩猟読本を読む
- 問題集を何度も解く
- 狩猟鳥獣を覚える
- はこわなの掛け方を覚える
この4つを重点的に勉強しました。
本と向き合っているだけは、大変なので、近隣の猟友会が開く講習に参加してみるのが一番おすすめ勉強法です。
勉強時間は、本を全部読み終わってから、試験1ヶ月前は平日1時間くらい。
試験1週間前は、平日2時間〜3時間くらい勉強しました。
狩猟読本を読む
1cm以上ある分厚い狩猟読本です。みた瞬間不安に!!
こんなにあるのか!!!と驚きました
私が一番最初に読んだのは、ジビエの料理法のところ。
試験には出ないようですが、お肉をいただいたこともあるので、この章は、興味深い!
いただいた鹿肉を使って、本に載っていた鹿肉餃子を作ってみたら、おいしかったなぁ。
狩猟読本の項目
- 狩猟とは
- 狩猟に関する法令
- 鳥獣に関する知識
- 猟具に関する知識
- 鳥獣の管理
- 狩猟の実施方法
- 野生鳥獣肉(ジビエ)の利用
- 参考資料
私は、わな猟の試験なので、本の中の銃についての部分は勉強せず、それ以外の箇所を一通り読んでみました。
基本的な動物についての知識が全くない私なので、どれも新鮮。海に住んでいる海ガモは、水の上を走るように飛び立つが、陸ガモは、急な角度で飛び上がるなど、実際に海辺で観察してみると、本当にそうでした!
本だけでは覚えられないので、身近な場所で観察してみることができれば、もっと楽しくなると思います。
鳥について詳しいブログはここ↓
▶︎コトリペストリ
本を読んでも鳥についての勉強が全然頭に入ってこず、読めない漢字も多々あり困った時に、カワイイゆるイラストと共にわかりやすい解説が載っていたのが、このサイト。面白いから、ぜひ一度見てみてね。
「跗蹠(ふしょ)」なんて読めない。
「跗蹠(ふしょ)」は、鳥の足のことなんですね〜!
問題集を何度も解く
猟友会主催の事前講座に参加することで、問題集がもらえます。
問題集に出ている問題を項目ごと何度も繰り返し、覚えました。一問一答形式で、間違えた箇所だけチェックし何度もやり直しました。
まさに試験対策!といった感じの勉強法ですね。
本を読み返したときに覚えるポイントを分かりやすくしておきました。直前にテキストを見返したときにわかりやすくよかったなと思っています。
狩猟鳥獣を覚える
動物についてそこそこ知っている方は、さほど苦労しないのかも知れません。
私は、鹿、猪、くらいしかわからず・・・覚えるのに苦労しました。
こんな風なカードで、
- 狩猟鳥獣か非狩猟鳥獣か
- 狩猟鳥獣なら名前を言う
これを10秒以内にできるように繰り返し練習。
子供達が面白がって、一緒に手伝ってくれたの〜!
なので、思いの外楽しく、ワイワイしながら、取り組めました。
鹿は、「シカ」と回答するんじゃなく、「ニホンジカ」と言うのが正解なんだって!
イタチのメスは、非狩猟鳥獣で、イタチのオスは狩猟鳥獣と、雌雄で違うものもあります。
最後まで、カモの種類には悩まされましたが、近所の公園で泳いでいるカモが「カルガモ」や「マガモ」とわかるだけで、なんか世界が広がった気がしちゃいました。
はこわなの掛け方を覚える
「はこわな」という箱型のわなの掛け方を、実技試験で行いました。
日常わなを目にすることはないので、猟友会の講習に行って、実際に学んでくるのが、一番だと思います。
周りに狩猟をされる方々がいらっしゃるようであれば、教えてもらえば、大丈夫ですね!
私は、ちょっとのバランスで、うまくかかる時とかからない時があり、ドキドキ。
試験ではちゃんと掛けられてよかった。
試験時の制限時間は5分だったので、余裕を持って取り組めました。
試験当日の簡単な流れ
午前から午後まで、1日がかりの資格試験です。
受験票と一緒にタイムスケジュールが送られてきたので、それをみて驚きました。
結構な長丁場!チョコを食べてリフレッシュ
試験も全員一緒に行う筆記、採点時間、少人数のグループに分かれての適正試験や技能試験があります。
みっちり試験というか、人によっては、待ち時間が結構長くなります。
受験票と身分証、鉛筆、消しゴムをお忘れなく。
3択の問題が30問。一部免除の方は、狩猟用具の問題10問の出題。
70点以上で次に進めます。
知識試験の採点が行われ、指定時間に合格者の受験番号が壁に張り出されます。
合格者のみ、午後の部の試験に臨みます。
視力検査
コンタクトや眼鏡を使用している場合は、その旨を伝えて視力検査を開始
聴力
名前をランダムに呼ばれて、一度でしっかり返事ができるかで確認
運動能力
数分間の指定動画に沿って、体を動かしてみます。
ラジオ体操の短いバージョンのような感じの印象です。片足で3秒くらい経つのがあり、バランス感覚が大丈夫かもチェックが入るようです。
何人かのグループに分かれて、各部屋を移動し、適正試験が行われました。
スクリーンに鳥獣の絵が、10秒程度写し出されます。
その鳥獣が、狩猟鳥獣か非狩猟鳥獣を問う問題です。狩猟鳥獣であれば、名前を書き、オスメスで違う場合は合わせて記入します。
わなの判別
合法的な罠と、非合法の罠が展示してあり、それぞれの罠がどちらかを選択し、丸で囲む問題でした。
制限時間は、1分。
わなの架設
「はこわな」が用意されていて、制限時間5分の中で、わなをかけます。
わなをかけ終わったら、試験管の方が、わながしっかりかかっているかチェックします。
(私の試験体験談なので、あくまで参考にしてください。)
試験終了後2〜3週間経ち、「わな猟狩猟免状」が送られてきました。
子どもたちが、「ママ〜おめでとう!どんどんワイルドになっていくね。」と言われ、複雑に嬉しかったなぁ〜!
子どもたちは、母が狩猟するとなったら、
山に入って出てこない=あまり会えなくなる
と勝手に勘違いしていたので、その点をしっかり話し、安心した様子でした。可愛いですよね。
全部やってみて、これは勉強しっかりしないと受からない!と実感
テストのための久しぶりの勉強で、自身の集中力の短さに驚きましたが、なんとか合格できたことは本当に嬉しく自信になりました。
狩猟免許合格するともらえる「補助金」があるって知ってた?
狩猟免許に合格すると、自治体や市町村によっては、新規取得者を対象に「免許取得のための費用の一部を補助してくれる」補助金制度があります。
受験料の一部が返ってくるなんて嬉しいな!
私の住む街にも、この制度があり、今後申請をしてみようと思います。
申請は、取得から3ヶ月以内、1年以内など、申込条件が異なります。
申請期限があるから、早めに情報を調べてみるのがいいね!
狩猟免許(罠猟)の体験談と勉強方法をご紹介しました。
野外にいると、見えないものは見えないし、見えてくると見えてくるものがあるんだなと実感しています。
動物の足跡や、落ちている枝や、風の通り道、鹿の鳴き声など。
知らないから見えない世界を、ちょっと知ることで、もうちょっと見える世界を楽しんでみたくて狩猟免許を受けました。
そんなガッツリ狩猟するぞ!というガチな感じじゃない2児の母の私が始めてみた狩猟免許。
これから受験を考えている方々、狩猟免許ってどんなの?と思う方々の参考になれば幸いです。これを機に自分自身の活動がどんな風に変化していくかもお伝えできればと思っています。
以前いただいたジビエで鹿肉のカレーとカツを作ったときの記事です。料理に興味のある方はぜひ参考にどうぞ。
狩猟試験の体験談をお読みいただいてる皆さん、いつもありがとうございます。コメント、感想、ご指摘等ありましたら、お気軽にお問い合わせからお願いします。皆さんのコメントがブログ継続のための励みになります。
それでは、皆さまの素敵な日々にイロドリを。
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