初心者でもできる!鹿皮のミョウバンなめし完全ガイド【実践レポ】

鹿皮のなめし方
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ブッシュクラフトLIFEWORKでは、読者の皆さまのアウトドアライフにイロドリを!をテーマに、
アウトドアインストラクターアシスタントである筆者の体験レビューを、丁寧に解説し、楽しく遊ぶ提案をしています。
ブッシュクラフトとは、森の生活技術を応用したアウトドアの遊びのことです。

「鹿皮をもらったけど、どうしよう?」 「なめしって難しそう……」

実は、特別な道具がなくても、家庭で簡単になめせる方法があるんです。それが「ミョウバンなめし」。

私も初めて挑戦しましたが、見事柔らかく仕上がりました!手間はかかるけれど、思った以上に工程はシンプル。

皮を手に入れられるチャンスがあれば是非楽しんでください!

参考にしたのは、ネット情報に加えて、罠ガール7巻の皮なめし編。

工程が一気に漫画で読めるので、参考書として一冊だけでも手元に置くのもおすすめです。

この記事では、初心者でも真似しやすいように、実際の手順を詳しく紹介します。

「いつかやってみたい」と思っている方も、これを読めば「やってみるか!」となるはず。

この記事を読むとこんなことがわかります

  • 鹿皮のミョウバンなめしの方法
  • 専門的な道具がなくても家庭でできる
  • 柔らかく仕上げるコツ
この記事を書いている人
ムスカリ

ブッシュクラフトLIFEWORKの運営者

アウトドアインストラクターアシスタント

小学校サバイバルレッスンゲストティーチャー

危険生物対策アドバイザー

タップできる目次

なぜ鹿皮をなめすのか?

鹿皮はそのままでは腐ったり硬くなったりしてしまいます。

なめしをすることで、

  • 長期保存が可能になる(臭いや腐敗を防ぐ)
  • 柔らかく加工しやすくなる(道具や手袋、小物づくりにも!)
  • 自分だけの特別な革製品が作れる(DIYの楽しさ)

など、たくさんのメリットがあります。

ミョウバンなめしのメリット

  • 初心者でも簡単にできる(強力な薬品を使わない)
  • 安全で環境に優しい(家庭でも安心してできる)
  • コストがかからない(身近な材料でOK)

実際にやってみて、思ったよりも簡単で、初心者でも成功しやすい方法だと感じました。特に下処理を丁寧にすることで、キレイな仕上がりになりました!

鹿皮の手に入れ方

禁猟区で撮影(狙われないから人の近くまでくる鹿たち)

まず、鹿皮をどこで入手できるのかを知っておきましょう。

地域によってはこの限りではないと思うので、ご興味のある方は調べてみてくださいね!

  • 狩猟をしている知人からもらう
    • ハンターの知り合いがいる場合、鹿を解体した後の皮をもらえることがあります。
  • ジビエ業者や解体施設で入手する
    • ジビエ肉を扱う業者や鹿の解体処理を行う施設では、不要になった皮を譲ってもらえることがあります。
  • オンラインで購入する
    • 加工前の鹿皮を販売しているショップもあるので、ネット通販を活用するのも手です。
  • 地域の猟友会に相談する
    • 猟友会や地元の狩猟団体に問い合わせると、皮を譲ってもらえる可能性があります。

鹿皮は新鮮なものが理想ですが、冷凍されたものを入手することもできるかも!

ちなみに私は、自身が罠猟で捕獲した鹿の皮を使ってなめしてみました。

まだまだ初心者の私は、この冬で2回目の猟期。

今年獲れた初めてのメスジカなので、思い切ってなめしに挑戦することに。

準備するもの 材料と道具

材料

  • 鹿皮(新鮮なものがベスト!)
  • 中性洗剤(皮を洗う)
  • ミョウバン(スーパーや薬局で手に入る)
  • (皮の腐敗防止用)
  • (大量に使います)
  • 米油(皮を柔らかく仕上げる)
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塩ビ管は立てかけられる長いものがおすすめです

道具

  • バケツや大きめの容器(皮を漬ける用)
  • 大きめのゴミ袋(皮を漬ける用)
  • 農作業用の鎌(皮の裏の脂や肉を取り除く)
  • 塩ビ管(皮の裏面を削る台として)
  • ゴム手袋(手を保護するため)
  • 新聞紙やタオル(乾燥時に使用)
  • 刷毛やスポンジ(ミョウバン水を塗る時に便利)
  • ベニヤ板(皮の乾燥させるために貼り付ける)
  • タッカー(皮をベニヤ板に固定)
  • 紙やすり(乾燥した皮をキレイに整える)

ミョウバンは生ミョウバン・焼きミョウバンどっちを使うの?

調べてみると、生ミョウバンの方が水に溶けやすく扱いやすいとの工程が多いですが、ドラッグストアなどで手に入りやすい焼きミョウバンを使用しました。

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鎌の持ち手は、ノコギリなどで短くカットするのが使いやすいです。

ベニヤ板は、皮を伸ばして貼り付けられる大きさならOKです。

伸ばすと意外に大きくなるので、サイズ選びに迷ったら、大きめがおすすめ!

蓋があるとニオイも漏れにくいので、安心です。

鹿皮のなめし手順

皮をもらってからすぐに作業できない場合は、塩漬けにして冷蔵庫で保存します。

その際は、皮面に塩をたっぷり刷り込んで、大きな袋に入れて口を縛り、冷蔵庫へイン!

我が家の冷蔵庫は小さめで全然入らなかったので、

塩漬けにして袋に入れた鹿皮を、蓋付きバケツに入れ日陰に。

12月で気温が低いこともあり、外気は冷たく、腐ることもなく大丈夫でした。

生の鹿皮を手に入れてから、作業開始まで数日〜1週間くらいであれば冷蔵でOKだと思いますが、腐敗の心配がある場合は冷凍がおすすめです。

① 鹿皮の下処理(ここが勝負!)

まず、一番重要なのがこの工程。ここを丁寧にやるかどうかで、仕上がりが全然違います!

塩漬けにした鹿皮を使用する場合は、水でしっかりと洗い、塩分を抜きます。

作業時、周辺がものすごく汚れます!!!

水場が近く、汚れてもいい場所で作業を行いましょう。

使う道具
・ゴム手袋
・農業用の鎌
・塩ビ管
・バケツ

1. 余分な肉や脂を取り除く

  • 皮の裏側には、肉や脂がまだついていることが多いです。これをしっかり取り除かないと、腐ったり、仕上がりがゴワゴワになったりします。
  • 農業用の鎌(刃の部分を石で擦り少し潰したもの)を使って、優しくこそぎ落とす。力を入れすぎると皮が破れるので注意!ナイフの扱いが上手な人はもちろんナイフでもOK!
  • 皮が乾いているとやりにくいので、少し水で湿らせると作業しやすくなります。

1mくらいの塩ビ管があれば、立てかけてそこに鹿皮を置き、鎌で肉をこそげ落とします。

私が使用した塩ビ管は短いので、地面に置きながら、少しずつ皮面を移動させて肉を落としていきました。

鎌の持ち手は、ノコギリで短くすると使いやすい!

2. 塩漬けで保存

  • 作業が1日で終わらない時は、皮全体にたっぷり塩をまぶします。
  • 再開する時は、しっかり水で塩を落としてから、余分な肉や脂を取り除きます。

3. しっかり水洗い

  • 余分な肉をとり終わったら、中性洗剤を使い水でしっかり洗い流します。(2〜3回繰り返す)
  • ここでしっかり血や汚れを落としておかないと、あとで変な臭いが出ることも……。
  • ゴシゴシこすらず、やさしく揉み洗いするのがコツ。

キレイにした皮面を、芝生の上に置くと芝がついて大変なので、広げたゴミ袋などゴミがつきにくい場所に置いて、洗剤をつけるのがおすすめ。

② ミョウバン水に漬ける(なめしの本番!)

温度計もあると便利です

公益社団法人畜産技術協会のHPを参考にミョウバン水を作ってみましたが、1週間経っても、皮がちっとも柔らかくならなかったので、追加して作りました。

皮の量に対して、ミョウバン水が薄すぎたのかなぁ。

1. ミョウバン水の作り方

  • 沸騰したお湯に焼きミョウバン入れて溶かします。(焼きミョウバンは60度以上で溶けるため)
  • 目安は「水1Lに対してミョウバン25g塩40g」くらい。(公益社団法人畜産技術協会のHPによる)
  • よく混ぜて、しっかり溶かしましょう。

実際に私が使用した水は2L、焼きミョウバン100g、塩80gくらいです。

2. 皮を漬け込む

  • 鹿皮を40度くらいまで温度が下がったミョウバン水に浸します。
  • 皮がしっかり浸かるように、重しを乗せてもOK。
  • そのまま 1週間~10日間 漬け込みます。

3. 途中でのチェック&撹拌

  • 毎日最低1回、しっかり混ぜるのがポイント!
  • 放置しすぎるとムラができやすいので、時々様子を見る。
  • 漬ける期間が長すぎると、皮がブヨブヨになってしまうので注意。
指の跡がくっきり残るくらい凹んでいます!

毎日かき混ぜて、鹿皮が鈍いスクイーズみたいな状態になればOKです。

ミョウバン液の量は鹿皮の大きさによるので、どの情報を参考にしていいか難しいです。
個体差もあり教科書通りにはいかないので、毎日観察して弾力を確かめてみるのがおすすめです。

③ 乾燥と仕上げ(柔らかさが決まる!)

「つけたミョウバンが取れてしまうから、毛の面だけ洗う」

という情報が調べてみるとで書いてあります。

ところが私はそんな器用じゃないので、全部をできるだけ短時間でザブザブ洗ってみました。

実は、毛の面だけ洗うと書いてあったから、一切洗わずに作った友人曰く

「ミョウバンのキラキラが毛の面に残っちゃった・・・」と話してくれたから。

この思い切りが良かったと後に思いました!!

1. 取り出して水を切る

  • 漬け込みが終わったら取り出し、流水でさっと洗う。
  • しっかり絞るようにして余分な水分を落とす。

2. 乾燥の方法

ご自身でできる方法をお試しくださいね。

  • 吊るして乾燥(風通しの良い場所)
  • 平置き乾燥(新聞紙を敷いてこまめに交換)

絞ってみても、鹿皮はびしょびしょなので、物干し竿にかけて置きます。

水分がポタポタ垂れてこなくなり、毛が乾いてきたら、米油を皮面に一度塗ります。

水分のある皮にオイルを塗った様子

乾燥が始まっていく前にオイルを入れるのが、柔らかく仕上がるコツだと思う!!

3. 柔らかくするための揉みほぐし作業

オイルを塗ってからは、とにかく全方向ひひっぱり続けることが大事。

引っ張ると、白くなっている皮が半透明みたいな色に変わります。

  • 乾燥させながら、皮を手で揉みほぐす。
  • 繰り返し揉むことで、柔らかく仕上がる。

実際に子供用の鉄棒の角に鹿皮を当てて、あちこちに引っ張ってみました。

引っ張りすぎて、皮が裂けてしまったところがあるけれど、何度も何度も引っ張って伸ばしました。

午前中から作業を始めたので、お昼ご飯を食べて、また鉄棒で何度も引っ張って伸ばしを繰り返し。

5.ベニヤ板に貼り付ける

引っ張れるところまで、全方向に引っ張ったら、ベニヤ板に鹿皮を貼り付けます。

この頃には夕方になってました。

川より一回り大きなベニヤ板に、皮を引っ張りながらタッカーで止めます。

この時、針の一方を皮の外に出しておくと後に外しやすい。

一度ベニヤ板に貼り付け、翌日取り外し、また引っ張り貼り付け直しました。

だいぶ乾いてきました。

時々、タッカーを少し取り、引っ張りまた止めてとしながら、

そのまま1週間以上日陰に置き、いよいよ次の仕上げです。

6. 仕上げのオイル処理・やすりがけ

80番と120番をホームセンターで購入

米油を全面にしっかりと塗り込みます。

革用オイルやミンクオイルなど不揮発性のオイルを使用しましょう。

軽石やサンドペーパーを使って皮面をキレイに整えます。

サンドペーパー使用前

下処理でキレイに皮が取れてたようで、

サンドペーパーもちょこっとかけるだけで終了!

サンドペーパー使用後は表面が滑らか!

ふわっふわで毛も柔らかい鹿皮ちゃんの完成です。

お尻の下に敷くにはちょうどいいサイズ感になりました。

鹿皮なめしのコツ

素人なりに3つ挙げるとすると、

  1. 初めの段階で丁寧に鹿の小肉を取ったこと
  2. 油を早めに皮に塗ったこと
  3. 時間をかけて丁寧に皮を引っ張り伸ばしたこと

どれも愛情を持って作業を行なっていたので、楽しくて、可愛くて仕方ないなめし体験となりました。

またチャレンジして、確実にできる方法を研究してみたいな。

実際にやってみてのポイント

なめすのにとにかく時間がかかります。最初から最後まで3週間〜1ヶ月くらい。

まとまった時間が取れ、乾燥のステップを行えるようスケジュールを立てるのがおすすめです。

皮をいただくチャンスがあれば、冷凍して置いて長期休みにやってみるというのがいいかもしれません。

うまくいった点

  • 下処理を丁寧にしたことで、仕上がりがきれいになった。
  • ミョウバン水の濃度を適切にしたので、ムラなくなめせた。
  • 作業中ずっと、お天気だったので天気に恵まれていた。

失敗しやすいポイントと対策

  • 脂が残ると硬くなる → しっかり削ぎ落とす!
  • ミョウバン水に漬けすぎるとブヨブヨに → 毎日触って確認を怠らない
  • 乾燥時に硬くなりすぎる → しっかり揉みほぐす!

鹿皮の活用アイデア

手作りの革製品は愛着が湧きますよね。慣れてきたら鹿皮を使ってクラフトも楽しめそうです。

  • 小物づくり(キーホルダー、財布、手袋)
  • インテリア(壁掛け、ラグ)
  • キャンプギア(座布団、ブッシュクラフト用マット)

今回初めてなめした鹿皮は、お家で大事に敷物として使います!

鹿皮なめしにチャレンジしてみよう!

まさか自分自身がこんな体験をするとは思ってもいなかったのですが、そんな私にもできた鹿皮なめし。

ご興味があり、皮が手に入るのであれば、是非チャレンジしてみてください。

鹿が増え害獣とされていますが、誰もが命をいただき生かされています。

そんな循環の中大事にしてあげることで、命が繋がっていくのではないでしょうか。

それでは、皆さまの素敵な日々にイロドリを。

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